chocokoro's diary

適当に勉強

今日の1問 part.2

出題は2020年九州大学前期理系大問3です。出題範囲は数II、数Aのベクトル、図形からとなります。著作権の都合上問題文は手書き+一部表現を変更しています。

よく、図形としてのベクトルに難問なしと言われることがあります。何次元の話になろうと、基底となるベクトルを次元の数だけ用意し、その大きさと内積が分かってしまえば高校範囲の問題では計算力でどうにかなるからです。今回取り上げる問題も、実は計算力で処理できるのですが、できるだけ楽できる方法を探ってみてください。このpartから難易度を評価することにしました。

問題 難易度B 25分 (難易度はA~Eの5段階評価とします。Eが難しい方。)

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指針

(1)

空間図形、なす角ときたら、ベクトルを設定して内積でcosを求めるのが定石です。その際、OA、OB、OCの情報が欲しいので、持っている情報をベクトルの知識に結びつけて解いていく必要があります。対称性に気づかなければこの問題で多く時間を使ってしまうことかと思われます。

(2)

(1)で空間内の3つのベクトルの大きさ、内積という基本情報が得られているので、無理やり計算でも出せますが、この四面体のある特徴に着目してみましょう。この四面体、等面四面体と呼ばれるものの一つで、そのような図形は直方体に埋め込みをすることで上手く処理することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答

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実は僕は、最初この等面四面体という事実に気づかずに、△ABCの外心をベクトルで表し、そこを通り平面ABCに垂直な法線ベクトルを求め、各点からの長さが等しい、という方程式を立てて解いたのですが、それではあまりに時間がかかりました。ベクトルとしての処理しきる前に図形としての特性を活かす、ということも考えてみればいい問題であると言えるでしょう。

part1から見ていただいてる方は気づいているかもしれませんが、解答において途中計算の過程や全く同じ操作をする過程は省略しております。自分の力にするためにも、ただ解答を読むだけでなく、手を動かして実際に計算し、頭を使うことが数学力の向上には不可欠かと思います。